「安岡章太郎さん」のお名前を知ったのは、今年の夏でした。
この一事をもってしても、私が全く「文学」に無知であり、その世界に「無縁」なそして、常識にもすこし欠ける人間であることを公表する事になってしまうわけですが、安岡さんのご了解のもとあえて、ご紹介させて頂きます。
安岡さんの娘さんから、「ログキャビンの宿泊に興味があります」とメールを頂いたのが事の始まりでした。
「オーナーコース」に申込みをしようか迷っているが、父は「申込みしなさい」と言っている。というようなお話でした。
オーナーコースは、各棟5人を限度に年間で10日間をご利用頂ける方法で、今迄に申し込まれた方はいませんでした。
申し込まれる側から見ると、「目に見えない相手に前金で10日分の利用料金を支払う」事に相当の「覚悟」が必要と思われますが、迷う事なく「申し込みなさい」と言われた、「父」にある種の興味を覚えました。
娘さんとの2度のメールでのやり取りの後、初めての「オーナーコース」をご利用頂く事になりました。
とりあえず7月中旬に3泊。その後は8月下旬にまとめてご利用頂く事にしました。繁忙期をわざわざ避けてのご希望に「気配り」を感じた事を覚えています。
さて、はじめのご利用が終わった後、帰宅後直ちに「とても気に入りました」とメールを頂きさらに、その翌日「礼状」とともに最新の著作「戦後文学放浪記」(岩波新書)が我が家に送られてきました。
本には、私宛てに御本人のサイン入りの短冊が入っていました。ここで初めて「安岡章太郎」さんご本人である事が判明したのです。
と言っても、はじめに書いたとおり、私は存じ上げなかったのです。
その後、いろいろな場面で「安岡章太郎」の名前を見聞きするにつけ、いかに自分が無知であるかを強く感ぜざるを得ませんでした。
存じ上げなかったことをお伝えしましたが、意に介せず、「次回の那須行きを楽しみにしています」とのメールがありました。
今年は、8月下旬になっても暑い日が続きました。でも、ご利用期間中にも「昼間はともかく、朝晩の凌ぎやすさは、格別です」とメールをいただきました。
ログキャビンの管理をお願いしている木戸さんとYさんは、共に海外生活20年の国際派。特段の「依頼」はしませんが、「安岡さん」その人であることをお伝えしておきました。
足がない「安岡さん」は、前回、タクシーであちらこちらを回ったことを聞いていましたので、両氏には依頼はなくとも「期待」はしていたのです。
初めのご利用の際も「とても上品な紳士」・「なにものか?」との印象だったとか。・・・私の期待以上にお二人は御主人ともども「安岡さん」を引っ張りまわしたようです。・・・節度をもって。
アメリカ・テネシー州のヴァンダービルト大学に留学されたことのある安岡さんは、Yさんの御主人が同じ大学で学んだ後輩にあたることもあって、楽しいひとときを過ごされたようです。
東京に戻られてから、お礼状と写真が届きました。
「又、是非伺わせていただきたい」との言葉を添えて。
お客様にご利用のお礼を言う立場の私に、その都度「感謝の気持ち」を伝えてくださることに、文壇の「安岡章太郎先生」ではない人間「安岡章太郎さん」を強く感じました。
私のログキャビンが、一流の方にも満足して頂ける「建物」であることに自信を深めるとともに、今後、この「建物」を少しでも多くの方々に紹介していくことを「商売」にできる喜びを感じています。
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