ちょっと気になります

建物を建てるときにとても重要なのが「基礎工事」です。

私が手掛けるログハウスの基礎は、(有)高久工業さんに施工をお願いしていますが、次のような手順で工事を行っています。

① 敷地の状況調査・・・建物位置を確認したのち、樹木の有無や高低差を調査します。(無料)

② 地盤調査・・・建物が建つ位置の四隅と中心1点の5点をスウェーデン式サウンディング試験(JIS A1221)で調査。(株)サムシングに依頼。(3万円程度)

③ 樹木の伐採・・・那須では現有「山林」が最も多く、この場合は建物位置及び将来畑や花壇など、樹木が不必要となる敷地の樹木を伐採します。建物位置及び必要箇所の抜根を行います。
掘り起こした根っこは処分場に搬出しますが、処分費がとても高いので、敷地が広い場合には穴を掘って埋めることも、敷地の隅に積み上げて風雨にさらし、最終的に焼却することも可能です。

④ 造成工事・・・地層は場所によって異なりますが、おおむね表層30cmから50cmの黒土、その下に礫混じりの赤土層が続きます。黒土は枯葉が堆積したもので、基礎下の支持力を得られません。
このため、建物位置の黒土はすべて取り除き赤土層を露出させます。
ただし、敷地が傾斜地の場合は低い位置を基準にしますので、基礎の高さが1.5mを超える場合があります。また、勾配が大きい場合には、低い部分の黒土を取り除いた後に基準地盤まで地盤改良材を転圧しながら施工します。…要するに黒土の上に基礎は作らないということです。

⑤ 基礎の構造・・・基礎の範囲を平らに削りだし、そこに0-40mmの砕石を厚さ15cm敷き詰め、しっかり転圧します。型枠を入れ、その上に防湿シートを敷き、φ10mmの鉄筋を@250mmメッシュで組みます。
その中に厚さ15cmのベースコンクリートを打ちます。基礎の立ち上がりは通常88cmで厚みは15cm、主筋φ13mm、縦筋φ10mmで@250mmメッシュです。基礎天端はレベラーで平らに仕上げます。

⑥ 基礎の付帯工事・・・建物土台とログハウスの1段目を基礎に固定するアンカーはアンカーの太さφ13mmの25倍以上基礎中に入っていなければなりませんので、特注品です。私の販売するログハウスは「木ダボ」ではなく通しボルトを使用するため、後々のメンテナンスの為に通しボルト用の欠きこみを施工します。その他、基礎内部を人が通れるように開口部を設け、UBなどを掛ける「壁」も施工します。
大引きを受ける束石も現場打ちコンクリートです。給排水や電気・光ケーブルなど用のスリーブも型枠施工時に確保します。

その他、浄化槽+蒸散装置、外部給排水管、電気等ケーブルの地中埋設工事も基礎工事に合わせて行います。(基礎工事で使う重機を使用することでコストを下げ、また、建物周囲の掘削など、汚れる作業を集中的に行う)なお、砕石などを敷き詰めて駐車場を作る場合も、基礎工事に合わせて行うとお得です。

以上が「私の基礎工事」の概要ですが、最近目にする基礎工事は伐採・抜根したままの黒土の上に砕石を敷き詰め、いわゆる「べた基礎」を施工しているのです。べた基礎ですから布基礎のように建物の一部が沈むなどということは起きにくいと思いますが・・・・「豆腐」の上にかまぼこ板でも載せているようで・・・・・ちょっと気になります。

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