6月25日に荷下ろしを行い、建築中だったMY邸は、本日午後無事に引渡しを行いました。網戸2枚が湿気で反ってしまい閉まりませんので、後日交換します。
今回の「物件」はこれまでの私が作ったログとは一味違います。
それは、デザイナーが入った事。内部造作は95%このデザイナーが作成した「図面」に基づき行いました。そのため、キットに含まれている部材を使用せず、デザイナー指定のものを使ったり、内部建具や家具は全て「別途製作」したものを使った為、これに合せて枠材から作るなど、とても手間が掛かる工事となりました。
例えば、「手摺」「仕切り壁用板」「絨毯敷き」「畳」「間接照明」など。
手摺はキット部材として、フィンランドパインの柱・フェンス・手摺が入っていますが、これを2階天井近くまで通し柱を付け(この柱もOSB板を化粧として貼りつけたものを使用)、それに手摺を付けたもの。2階通路の手摺には指定の間柱を作製し、これに10mmの中空ポリカを化粧ビスで固定。(バルコニーの手摺とフェンスも同様)
仕切り壁は通常「ログパネル」と呼ばれるログ材と似せて造った板で構成しますが、今回はサンダー掛けしたOSB板を指定され、約30枚を使用しました。8mmのOSB板では反ってしまうため、下地に構造用合板を貼りました。(OSB板は通常構造材として壁の下地材で使われます。)
2階は全て(トイレと洗面所は除く)絨毯敷きです。このため、根太ピッチは303mm(通常は450mm)とし、12mmの構造用合板を2枚貼り合わせました。(根太も通常は150mmx50mmのところ、200mmx50mmを使用)
畳の部屋は今回初めて造りました。絨毯同様床の下地には構造用合板2枚を貼り合わせました。
間接照明は2階に3箇所、1階に2箇所。そのほか造りつけ家具の下部に4箇所設置しました。
電気配線工事に使用した電線は約800m。照明器具数は90灯を超えました。しかもほとんどがダウンライト(その半数以上は人感センサーつき)のため、その手間は大変なものでした。
電気工事を行ってくれた隣家のNZさんには大変にご苦労をおかけしました。(工事に従事していただいた日数は40日を越えました)
お疲れ様でした!!
大工さんは7月初旬こそ日曜日はお休みでしたが、中旬以降40日間でお休みは8月14日の1日のみ。朝8時から夜8時・9時・10時まで、本当に頑張ってもらいました。これまで数棟の私のログを手掛けていただいていますので、よく承知をしているK棟梁ですが、今回ばかりは勝手が違い、幾度と無く悩み私と相談しながらの作業となりました。
昨日は午後5時に作業を終了し、K棟梁・NZさんと私の3人で引渡し前の「作品」を感慨深く眺めました。
今回は、シルバーログビルダーズのKさん、長根尾さん、そして相良さんに応援していただきました。Kさんには40日間、長根尾さんは要所・要所で、相良さんには建具の塗装とそれぞれの得意分野でご協力いただきました。皆さん!本当にありがとうございました!!
引渡しの為施主が到着したのが午後1時半ごろ。完成した我が家を見て「すごいな!!」とご満足いただけたようです。私もこの瞬間「やってよかった!!」と通常は思うのですが、今回はストレートに悦びの感情が湧いてきません。
これまでで最も大変な工事を無事完了し、施主もご家族もデザイナーも「満足」しているのに、大変に申し訳ないとは思うのですが、私自身に満足感・達成感が無いのです。
「こういうログハウスも造れる」という、一つの実績であることは間違いないし、妻をはじめ周りの人たちも「素晴らしいログハウス」と言ってくれますが、・・・・
自身がなぜサラリーマンを辞め、田舎暮らしをしながらログハウスキット販売やログ建築を手掛けているのかをもう一度振り返って見たいと思います。
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