ムクナ豆の栽培管理(完結)

栽培管理について、今季は栽培の終盤から書き始めましたので、「種まき」から「定植」以降について、来春から掲載します。(その予定です)

この数週間で、収穫のタイミングとその後の乾燥手順について数名の方からお電話をいただきましたので、改めて、まとめて書き残しておこうと思います。

「収穫のタイミング」:凍みる前に収穫する・・・この判断をする目安が「霜」です。霜=凍みるとは限りません。今年の「那須地方」で言えば、結果的には11月30日(本日)が最良の収穫時期でした。しかし、私の収穫した時期は1回目が八升豆を、10月25日と26日の2日間で、第2回目も八升豆で、11月3日~5日(ここまで3回の霜)11月14日にFVBの約半分を収穫し(ここまででさらに3回霜)残りのFVBは27日に終了しました。(さらに1回強い霜がありました)

本日、圃場に残る八升豆とFVBの莢を全て拾い歩きましたが、地上に近い物で水分量が多い物は凍みていました。しかし、ある程度水分が抜けた物は地上1m以下でもうまく乾燥すれば「種」になるものでした。

以上の状況から、ある時点で、水揚げを止め(地際で茎を切断する)、水分量を減らし、多少の寒さでは凍みないようにし、収穫時期をなるべく先延ばしすることで、完熟豆を増やす事が、現段階におけるもっとも収穫量を増やす合理的な管理方法と思われます。

「追熟・乾燥方法」:莢が灰色でカラカラと音がしても、「完熟豆」とは限りません。しっかり乾燥させ長期保存が可能な「種」は、水分量が約13%と言われていますので、乾燥で莢が「爆ぜる」まで待つことが基本です。

収穫時点では、上記のような「ほぼ完熟」・次いで「黄色い莢」・「くすんだ緑でしわが寄る莢」・「くすんだ緑色の莢」・「濃い緑色の莢」・「緑色で種の部位がぷっくりしている莢」・「緑色でスマートな莢」・「明るい緑でスマートな莢」という順番が完熟~未熟を示しています。(八升豆の場合)

この内、スマートな2種類以外は、全て「種」になる可能性が高いので、上手に追熟・乾燥させることが必要です。

「緑色」が残っている莢は、光合成を続け、種に栄養を送り続けるため、「追熟」と考えています。その為、なるべく光にあて、かつ、乾燥を進める必要があるため、風通しが良い場所に、重ならないように干すことが基本です。ビニールハウスがあれば、ハウス内にパイプで棚を作り、麻ひもをたらして、莢ごと吊るすことが、効率的と考えています。凍みる心配がなければ、軒先に紐に掛けて吊るしておけば大丈夫です。

灰色や黄色でしわがあるものは、完熟が近いので、爆ぜるタイミングを注意しておきます。莢を折り曲げるようにすると、「爆ぜ」が近い物は「カチカチ」で、「妥協しない固さ」を感じます。こうなった物は、落ち葉を集めて入れる「ネット」に纏めて入れて、パイプ棚に吊るします。こうしておけば、「爆ぜても」地上に落ちて汚れる心配がありません。ネットの中で種が数十粒飛び出しているのが確認できれば、いよいよ種を取り出すタイミングです。

「種の取り出し方法と選別」:埃を巻き上げず・効率的に・・・「粉砕して、種を取り出す」という機械(試作機械)を使ったことがありますが、種が割れてしまったり、残ったゴミや種を篩にかけた時の埃がひどく、あまり「良い」とは思いませんでした。

地道ですが、一莢ずつ割って取り出し、その場で選別して、篩でゴミを落とす事が、今のところ「最良」と思っています。しっかり関している莢は「爆ぜたい」状態ですので、莢の先端を鋏で切れば、勝手に割れてくれます。是非試してください。

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