
日々の出来事を不定期で掲載しています。
2022年10月04日
ムクナ豆の栽培管理(2)
1週間では管理作業にさほどの違いはありません。ただ、朝の気温が12℃程度と下がる日もあって、ムクナは「早く種になろう」としている様です。
私の場合は、圃場に出れない日もあり、9月15日以降咲く花の切り取りも全てにわたっては出来ていませんので、既に莢になっている物を取り除く作業になっています。
那須では、あとひと月~ひと月半で収穫期となるため、それを見越して、現在5cm未満の莢は切り取り対象です。
葉も大分黄色くなるものが増えてきました。蔓も茶色く変色し、枯れた物があります。これらは全て取り除きます。
葉の混みあっている箇所も間引いて、光が入るようにします。
さて、肝心な「莢」ですが、淡い緑-濃い緑‐くすんだ緑(種の位置が目立つ)‐黄色くなり始めた物‐しわが寄って灰色になりかけている物‐灰色で振ると「カラカラ」種が動く音がする物が混在する時期です。
灰色で「カラカラ」音がするほど熟成した物は、「霜」が降りても、零度以下になっても影響を受けませんので、最終的に収穫すればOKです。
問題は、追熟すれば確実に「種」になる「莢」の見極めです。週間予報で、「霜」注意報が出たら、1週間ほどで全てを収穫するわけですが、その時までに「確実に種になる物」と「未熟な物」を選別しておく必要があります。
もし、選別できていなければ、収穫作業・干し作業・種の取り出し作業を終えた時に、廃棄する未熟豆が沢山出ますし、その間の作業は無駄になります。
2022年09月26日
ムクナ豆の栽培管理(1)
先日、群馬県でフロリダベルベット(アメリカ原産種のムクナ豆:以下「FVB」という)を生産して、私に納品していただいているKさんご夫妻が見えました。
2時間ほどお話をさせて頂きましたが、その話の中で、HPの「私の独り言」を「栽培の参考にしているので、もっと頻繁に更新してほしい」というご要望をいただきました。
私は、気が向いた時に書いていたのですが、「基本的にムクナ豆を全国に広げたい」という強い気持ちがありますので、お一人でも参考にしていただけるのであれば、と、一念発起して、中途半端な時期からではありますが、1週間に1度程度「ムクナ豆栽培」に関する「独り言」を、できれば、収穫・追熟・乾燥・豆の取り出しまで、綴ってみたいと思います。
さて、第1回目は、花と新しい蔓の剪定作業と混みあった蔓や葉の剪定、更に虫が入ったり、混みあっている莢の除去作業について記します。あくまで、那須における作業ですので、各地域によって時期が前後することはご承知ください。
那須では、通常、「9月15日までに咲いた花」を収穫対象の「種」になると考えています。その為、9月16日以降咲く花は全て切り取り、少しでも栄養が、残った物に回るようにしています。また、繁茂する蔓や葉で、光や風が通らないと、虫の発生を誘発しますので、この時期から出る蔓は、全て切り取ります。一か所に多層に重なる葉はなるべく茎の元から切り取ります。
茶色や黄色く色づいた葉も全て取り除き、少しでも光や風を通してください。莢同士や莢と蔓、莢と葉などが触れあった場所に「黒い虫の糞」のような塊があれば、既に莢の中に虫が侵入しています。被害の程度によりますが、莢が混みあっていれば、摘果します。また、房全体を見て、未熟と思われる「莢」は摘果し、残った物の成長に繋げます。この事で、莢同士が触れることも防ぎます。
莢の熟成が進んでくると、作業中に莢表面の細かい毛が飛散しますので、マスクや眼鏡で毛が付く事をなるべく防ぐようにしてください。この毛にはセリンプロテアーゼという酵素が含まれていて、かゆみ成分ですので、肌に直接触れないよう、注意して下さい。かゆみが出た場合は、熱いお湯で洗うとおさまります。
また、剪定に伴い、切り口から「汁」が出ますが、作業着に着くと黒くシミになり、洗濯しても落ちませんので、汚れても良い服装で作業して下さい。
写真は、本日の八升豆第一圃場と9月4日にドローンで撮影した第1から第4圃場。
右側から第一圃場・第二圃場・第三圃場
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
2022年09月07日
やる気の基
先日、ムクナ会会長で、東京農工大学名誉教授、現姫路大学特別招聘教授の藤井義晴先生一行が我がファームを訪れました。
その目的は、「ムクナ豆の栽培管理実態の視察」でした。ご連絡を頂いた際は、その目的をお聞きすることもなく、ムクナ会で5回ほどお会いしていることもあり、気楽にお受けしました。
八升豆(藤井先生は日本原産種のムクナ豆である「八升豆」とその他のムクナ豆の呼称を区別して使われていますので、以下「八升豆」と記載します)の栽培は熊本県・和歌山県・新潟県などで、私より古くから栽培されていますので、少し意外でもあり、しかし、光栄でもありました。
また、後で分かったことですが、ご同行の平野秀樹先生は、学校法人法人本部の副本部長・姫路大学農学部設置準備室長・畜産研究所所長特任教授の方書きを持つのみならず、日本の国土が外国資本に買い占められていくことに警鐘を鳴らし続ける活動をされている代表的な方でした。
このような方とは知らず、圃場見学含め2時間半ほど、あれこれと説明をさせて頂きました。
午後5時前にお帰りになりましたが、その日の夜、藤井先生からお礼のメールとともに記念の集合写真をお送り頂きました。その際、「森さんの八升豆の栽培管理は日本で一番ではないかと思う」とのありがたいお言葉を頂き、ノルアドレナリンの放出を感じました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
2022年06月07日
貸別荘業も農業も頑張っています
5月の貸別荘の稼働状況は、コロナ前の2019年の5月を上回りました。少しづつですが、これまでの日常が戻りつつあるように感じます。
今しばらくは、「予約は2か月前から」「ご利用人数は最大4名様まで」といった「制限」を継続させていただきます。ご利用いただく皆様の「安全・安心」第一とご理解ください。
ロシアによるウクライナへの侵略戦争が長期化しています。一日も早くロシアの蛮行が終わり、ウクライナに平和が訪れる事を願っています。
ムクナ豆栽培は、ようやく定植作業を終えました。第一圃場(2反)で177株、第二圃場(1反)66株、計243株と、昨年よりも少し多く植え付けました。
昨年、第二圃場(1反)で、60株定植し約180Kg の乾燥豆を収穫しました。1株当たり収穫量は3Kgで、これまでで最高を記録しました。
しかも、L-ドーパ含有量は5%程度と、高濃度といわれる外国産に引けを取らない成績であることが分かりました。(焙煎きな粉及びミクロパウダーの含有量検査結果からの推定値)これまでも、1回3g(3粒)1日3回を基本的な摂取量とお願いしてきましたが、科学的な裏付けとなりました。
病害虫駆除のための薬剤は一切使わず、有機肥料(蛎殻石灰・馬糞堆肥・鶏糞)のみで 自家栽培(一部、同一条件で栽培を委託しています)しており、焙煎・製粉まで一貫生産してお届けしています(ミクロパウダーは製粉委託)ので、安心してお求めいただけます。
5月1日付で、那須町長から「農業経営改善計画の認定書」の公布を受け、いわゆる「認定農業者」となりました。
70歳を超えましたが、これからも「ムクナ豆栽培」を広め、より多くの方に試していただきたく、頑張っていきたいと思っています。
2022年03月12日
気が付けば、もう春です
今年、初めての「日記」が今日になるとは・・・
空白の3か月の間に、個人的には、白内障と緑内障(アイステント)の手術を行い、21年の確定申告を終え、ムクナ豆の「種の取り出し作業」をほぼ終え、「認定農業者」の申請準備を終え、「食品衛生責任者講習会」を受講し、ムクナ豆の加工並びにコーヒー焙煎の届け出を新たに済ませました。
残る作業は、このHPの内容の更新と畑の準備です。
世界に目を向ければ、ロシア(プーチン個人かもしれません)によるウクライナという国家に対する侵略戦争の勃発です。今後、これを原因とする色々な悪影響が私たち個人にも及ぶと思われますが、ウクライナの人々の苦悩を思えば、受けて建つとの思いでいっぱいです。
一日も早く、ロシアが侵攻を止め、ウクライナの主権を尊重する合意がなされ、ウクライナ国民が安心して暮らせる生活が戻る事を願っています。
一方で、この戦争を目の当たりにして、他の地域で同じようなことが起こらないよう自身が心すべきとの思いが強くなりました。
グローバルがもてはやされ、いざという時に、自国のみでは生活が立ち行かなければ、「生きるための紛争」も十分に考えられます。過度の他国依存を改め、特に食料自給率を高めることが、国家を守る事になると思います。
私は、これまでも心掛けては来ましたが、日常使う物をMADE IN JAPANにします!!